いざというときのため、ペット葬の手続きについて知ろう
ペットとの別れは飼い主にとって辛く悲しいことであり、心の整理がつかない時に葬儀の手続きや準備をすることは難しいかもしれません。しかし、愛するペットに最後にきちんとお別れすることは大切なことです。ペット葬儀の手続きや流れを理解しておくことは、飼い主にとって重要なことと言えるでしょう。ここでは、葬儀会社への手続き方法や火葬の流れ、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
ペットが亡くなったときに最初にするべきこと
ペットが亡くなった際、初めにすることは「手足を体の内側に折り曲げた姿勢にする」ことです。体の大きさにもよりますが、人間を含めた「生きもの」は死後一定時間で筋肉が固まり死後硬直を起こします。小鳥などの小動物を自宅の庭に埋葬する場合は必要ありませんが、犬や猫などを火葬する場合は火葬炉に入らなくなることがあるため、手足を曲げて納めやすくさせておくことが大切です。
次に、感謝の気持ちを込めて体を清めましょう。毛並みを整えたり口やお尻などを濡らした布できれいにし、箱やケースなどにタオルを敷き遺体を安置します。そして、死亡直後から腐敗が始まりますので、ドライアイスや保冷剤などで遺体を冷やすようにします。冷やす部分はおなかと背中が中心で、特におなかは腐敗が早いため十分に冷やすようにしましょう。ここまでが飼い主が初めにしなければならないことです。
葬儀会社の種類と手続き
遺体を安置したら、次に葬儀会社を選びます。ペット葬儀会社には公営と民間会社の2種類があり、それぞれ内容に大きな違いがあります。
公営の場合は費用が安いことが特徴です。1体当たり数千円程度で火葬してもらえますが、他のペットと一緒に火葬されるため、遺骨を引き取ることができません。また、火葬場まで遺体を持ち込む必要があり、事務的に係員に遺体を渡すだけとなるので、ゆっくりお別れする時間もありません。公営の場合は、火葬というよりも『焼却』と考えた方がよいでしょう。
一方、民間会社の場合は、自宅や指定の場所に葬儀会社が火葬炉を備えた専用車で訪れ、遺体を引き取り個別に火葬するのが一般的です。火葬の種類には「一任」と「立ち合い」の2種類があり、いずれもお別れの時間を設けてくれるため、ゆっくりと最後のお別れをできることが特徴です。なお、葬儀会社によっては遺体に供えていたお花や好きだったフードなどは一緒に焼いてもらえないことがあります。
一任の場合は飼い主は立ち会わず、火葬と収骨は別の場所でスタッフが行い、最終的に骨壺が返却される流れとなります。料金はペットの大きさや重さによって異なりますが、一般的には13000円から50000円が相場です。一方、立ち合いでは、飼い主が立ち会いながら自宅や指定の場所で火葬を行い、収骨も飼い主自身が行います。立ち合いの場合は、飼い主がペットを最後まで見送ることができるため、悲しみに区切りを付けられるという特徴があります。料金は20000円から60000万円が相場となっています。
ペットを火葬するまでに決まった時間はありませんが、腐敗を防ぐため死亡後24時間以内に火葬するのが一般的です。できるだけ手元に置いておきたい気持ちも分かりますが、民間の葬儀会社の多くは24時間受付を行っているため、早めに連絡することが大切です。手続きとしてはインターネットか電話ですが、混雑具合や用意するものなどの説明がスムーズなため電話で手続きすることをおすすめします。
骨壷については、葬儀会社で用意していることが一般的です。陶器製やガラス製、木製など、さまざまな種類がありますので、飼い主の好みや予算に合わせて選んでください。また、納骨については、ペット霊園に納骨する方法と自宅に納骨する方法があります。ペット霊園に納骨する場合はペット霊園に納骨料を支払う必要があり、自宅に納骨する場合はペット用の墓を用意する必要があります。なお、葬儀会社によってはペット霊園を紹介してくれることもあります。骨壺を受け取ったら葬儀は終了なので、大切なペットとの最後を感謝と思い出を胸に心穏やかに過ごしましょう。
ペット葬儀に関する注意点
ペットとして犬を飼う場合、住んでいる地域の自治体や役所への登録が義務となっています。そのため小動物や猫の場合は必要ありませんが、ペットが犬の場合は亡くなってから30日以内に死亡届を提出しなければなりません。なお、一般的にペットとして飼われない動物の場合も特定動物に指定されていることがあるため、自治体や役所に確認することが大切です。
愛する家族との最後の別れを大切にするために
ペット葬儀は、愛するペットとの最後の別れを大切にする重要なイベントです。葬儀の手続きや流れを理解し適切な準備を行うことで、ペットへの感謝を伝えると同時に、飼い主自身の心の整理をしやすくなります。大切な家族の一員を失った悲しみは大きいですが、それを乗り越えるためにも最後のお別れの時間を大切にしてください。