コラム
ペット葬儀の手続き

ペットの死亡手続きガイド!犬と猫の遺体処理から葬儀までのステップ

2023.09.29

ペットが死亡すると、飼い主さんは深い悲しみに包まれて何も考えられなくなってしまいます。しかし、遺体の安置や葬儀、死亡届の提出といった手続きは少なくありません。この記事では、「ペットの死亡手続き」について詳しく説明します。大切な家族の一員とのお別れを悔いなくするためにも、ぜひ最後までお読みください。

大切なペットが死亡した後にすべきこと

大切なペットが死亡した際に、飼い主さんにできる大切な仕事の1つが遺体のケアです。最愛の家族との別れを美しい思い出にするためにも、自宅でできる方法や必要なアイテムを紹介します。

ペットの遺体を適切に安置する

動物も人間と同じように、死亡してから数時間で死後硬直がはじまります。ペットの身体が固まる前に、飼い主さんは以下のケアをしてあげましょう。

 

  • 遺体の手足が伸びきっている場合は、やさしく内側に折り曲げる
  • 目が開いたままの状態であれば、注意深く瞼を閉じてあげる
  • 舌が出ているようなら、指で口の中に戻す

 

すでに目が閉じにくいと感じたら、5分程度手で瞼をおさえてあげます。口が開いてしまっている場合は、布や厚手の紐を使って口を閉じ、死後硬直を待ってください。

ペットの遺体を手入れする

ペットが亡くなった姿を見るのはつらいかもしれませんが、遺体を美しくしてあげるのも飼い主さんの役目です。死亡した状況にもよりますので、無理なくできる範囲で処置します。

 

  • 遺体から体液や糞尿が漏れ出す可能性もあるので、トイレシートやビニールシートを遺体の下に敷く
  • 口や肛門周りを清潔に保つために、ガーゼや湿ったタオルでやさしく拭き取る
  • 遺体を移動させる際は傷つけないよう、ゆっくりと持ち上げて慎重に動かす

 

遺体は厚みのあるタオルで包むと、汚れを吸収しやすくなります。ペットのお気に入りの毛布や布団もおすすめです。

ペットの遺体を冷却する

死後硬直に注意したいのが遺体の腐敗で、安置の際は冷却が欠かせません。ペットの遺体は、以下の手順で冷やすのがおすすめです。

 

  1. 可能であればブラッシングをして、毛並みを整える
  2. 遺体の下に厚手のタオルを敷き、汚れを防ぐ
  3. 保冷剤(できればドライアイス)を用意し、直接触れないようにタオルで包む
  4. お棺があれば納め、ない場合はダンボール箱に遺体を安置する

 

とくに首とお腹周りを冷やすと、遺体の腐敗を遅らせられます。保冷剤やドライアイスの水滴が遺体に付かないように注意しましょう。近所のお店でドライアイスが手に入らない場合は、通販や火葬業者で手配できます。

ペット葬や火葬業者との手続きも忘れずに

ペットの死亡手続きで忘れてはならないのが葬儀の手配です。日本では私有地以外の土地に犬や猫を埋葬すると法律違反となるため、火葬が一般的となっています。ペット葬や業者を選ぶポイントについてお伝えしましょう。

ペット葬の種類

ペットの葬儀は主に、合同火葬と個別火葬の2種類です。それぞれの特徴を紹介しますので、飼い主さんの判断で好みの葬儀を選びましょう。

合同火葬

合同火葬は、ペットの火葬を業者に一任する形式です。他の犬や猫と一緒に荼毘に付すため、個別の返骨は行われません。費用が比較的安価で供養までの時間は短いのが特徴で、忙しい飼い主さんにおすすめです。

個別火葬

個別火葬は、ペットを個別で火葬し、遺骨を飼い主さんに戻してくれます。業者によって内容は異なり、主なパターンは以下の3つです。

 

  • 火葬業者が遺体を引き取り、ペットを個別に火葬してから返骨してくれる
  • 業者が自宅でお別れのセレモニーを行ったうえで火葬し、遺骨が手元に戻ってくる
  • 飼い主さんが火葬場まで足を運び、火葬から収骨まで立ち会う

 

プランによって料金やお別れの方法が異なるため、あらかじめ検討しておくと慌てずに済みます。

ペットの葬儀はいつまでに行うか?

ペットの火葬までの期間は厳格に決まっていないものの、腐敗が進むと衛生上のリスクが増して危険です。冬季は5日、夏季は3日が火葬までの目安となります。ペットの大きさや遺体の状態によっても異なるため、詳細については火葬業者に相談しましょう。

ペットの火葬業者を選ぶポイント

飼い主さんにとって、火葬業者との相性は重要です。ペットの葬儀に失敗しないためには、以下のポイントに注意しましょう。

  • 質問に丁寧に答えてくれる
  • 飼い主にとってのメリットとデメリットを説明してくれる
  • 創業年数が長い
  • 口コミの評判が良い

犬は死亡届の手続きが必要

犬は狂犬病の注射が義務づけられており、飼いはじめるときに役所へ登録します。そのため、死亡したら30日以内に死亡届の手続きをしなければなりません。お住いの自治体や市区町村の役所で手続きをし、死亡届けを提出します。

提出時に必要なものは、犬の「鑑札札」と「注射済票(当該年度分のみ)」です。提出書類には以下の情報を記入する可能性がありますので、あらかじめ準備しておきましょう。

  • 飼い主の情報(住所、氏名、電話番号)
  • 犬の死亡年月日
  • 犬の鑑札番号
  • 犬の登録情報(犬種、名前、生年月日、性別)

 

死亡届の手続きを怠ると「狂犬病予防法 第四条」に違反し、罰金が課せられる恐れもあります。30日以上経ってしまった場合も、速やかに死亡届の手続きをすれば大丈夫です。

猫は死亡届の手続きが必要ない

猫には狂犬病のような必須のワクチン接種がないため、飼うときに役所への登録が必要ありません。そのため、役所での死亡届の手続きは不要なものの、環境省管轄の犬と猫のマイクロチップ情報登録への届け出が必要です。

動物愛護管理法により、猫にもマイクロチップの装着と登録が義務づけられています。ペットの遺棄や行方不明を防ぐ目的のため、ペットと飼い主さんの情報がデータベースに管理されています。猫が死亡してから30日以内に、データ抹消の手続きをしましょう。

手続きの際に必要となるのは、登録証明書に記載されている「マイクロチップの識別番号」と「暗証番号」です。なお、死亡届の手続きに手数料はかかりません。

まとめ

最愛のペットが死亡しても、飼い主さんはさまざまな手続きを行う必要があります。手続きに追われてしまうと、ゆっくりと最期のお別れができません。愛犬や愛猫が元気なうちに、火葬や役所への手続き方法を理解しておきましょう。遺体処置についても相談もできるので、信頼できる業者を探しておくのがおすすめです。

 

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