飼い犬や飼い猫が元気なうちは、「終活」という言葉がピンとこないかもしれません。しかし、突然の出来事はいつ起きるかわからないのが現実です。ペットだけでなく、飼い主さんに何かあっても困らないよう早めに準備しておきましょう。
この記事では、ペットの終活をおすすめする理由や具体的な行動リストを紹介します。家族みんなで「今できること」がわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
ペットの終活は急なアクシデントへの備えでもある
ペットの終活は、もしもの時に困らないようにするための準備です。犬や猫だけでなく、人間もいつ事故や病気に見舞われるかわかりません。突然の別れが来たときに、残された側が困らないようにしましょう。
犬や猫は自分の意志では行動できないからこそ、飼い主さんはあらかじめ準備しておく必要があります。家族で面倒を見ている場合、全員の意見を一致させておくのが重要です。悲しい出来事はないに越したことがないものの、万が一に備えておくのは飼い主さんの責任でもあります。
ペットの終活は家族全員の協力が必要
犬や猫は老いてくると、病気にかかるリスクが上がってしまいます。病状によっては、医療費や介護費用がかかるかもしれません。病院で生死にかかわる判断を委ねられる可能性もあります。飼い主さんが1人であれば、ご自身の意思を優先させましょう。家族で飼っている場合は、費用の捻出方法や看病の担当について話し合う必要があります。
延命措置や看取りの場所については、すぐに答えを見つけにくい問題です。冷静な状態で、互いの意見を交えながらペットにとって最適な選択をしてください。最も悲しいのは、緊急時に家族の意見が別れて揉めてしまうことです。大切な家族のためにも、時間をかけてでも意見をまとめておきましょう。
ペットの終活は元気なうちから始めよう
ペットの終活をはじめるタイミングは、飼い主さんの判断で決められます。元気な姿を見ていると、終活はまだまだ先でいいと思うかもしれません。しかし、ペットの成長は人間に比べて早く、10年もすればほとんどがシニア期に突入してしまいます。
老化による病気や介護に限らず、事故や災害によって突然の別れが来てしまう可能性もゼロではありません。急なアクシデントであるほど、飼い主さんは冷静な判断がむずかしくなります。お金の工面や重大な意思決定が必要となっても、慌てず対処できるよう終活を進めましょう。
ペットの年齢によっては、医療費や預け先の確保が困難になる場合もあります。早いうちに準備しておけば、いざというときにも安心です。
ペットの終活でやっておきたい7つの行動リスト
飼い犬や飼い猫の年齢にかかわらず、今すぐはじめられるペットの終活はいくつもあります。飼い主さんができる7つの行動を紹介しますので、無理なくできるものから取りかかりましょう。家族の同意が必要な終活については、それぞれの意見を尊重しながら進めるのが大切です。
1.ペットとの思い出を残す
ペットが元気なうちからできる終活として、一緒に過ごした時間の思い出を残す作業があります。当たり前の日常風景こそが、特別な思い出です。何気なく過ごしている、一緒の時間を写真や動画に記録しておきましょう。食事中や遊んでいる姿、お気に入りのオモチャなどを残すのがおすすめです。
2.ペット保険の加入や貯金の準備する
犬や猫には公的な健康保険制度が適用されないため、ケガや病気の治療には高額な医療費がかかる可能性もあります。東京都保健医療局によると、犬と猫の医療費(年額)は1〜6万円程度必要です。50万円を超えるケースもあるので、ペット保険や貯金をして備えて起きましょう。保険によっては年齢が上がると加入できないので、早めに検討しておくと安心です。
(参考:東京都保健医療局「東京都における犬及び猫の 飼育実態調査の概要 (平成29 年度)」)
3.介護の計画を立てておく
ペットの寿命は年々延びており、介護を経験する飼い主さんも増えています。飼い主さんの年齢や仕事によっては、1日中お世話できないかもしれません。家族にお願いできそうな場合は、あらかじめ打診しておきましょう。最近はペットのための介護施設やシッターさんも増えています。飼い主さんが介護疲れしないためにも、計画を立てておくのがおすすめです。
4.引き取ってくれる人を探す
飼い主さんに万が一のことがあった場合に備えるのもペットの終活に含まれます。犬や猫は新しい環境に慣れるまで時間がかかるので、できるだけ早い段階で引き取ってくれそうな人を探しましょう。同居の家族が承知してくれると安心なものの、むずかしい場合は接点の多い友人や親戚に声をかけます。新しい飼い主さんとの相性を考えると、里親や保護施設はあまりおすすめできません。
5.緊急連絡先と医療対応をまとめておく
ペットが高齢になるにつれて、急病にかかる可能性も増えます。具合の悪いペットを前に慌てないよう、緊急連絡先や病院の問診で必要な情報をまとめておくと安心です。以下の情報をまとめておくと、家族全員が対応でき治療は遅れずに済みます。
緊急時に役立つ情報
・既往歴
・服薬情報 ・アレルギーの有無 ・去勢または避妊手術の有無 ・血液型(わかる場合) ・体重 |
6.看取る場所を検討する
ペットの最期をどこで看取るかは、飼い主さんにとって大きな問題です。家族全員で見送りしたい場合は、自宅で看取る準備をしておきます。しかし、ペットの状態によっては自宅では適切な処置ができません。病院にかかっている場合は、担当の獣医師と相談しながら決める必要があります。病院や介護施設のほうが苦しまない可能性もあるので、看取りの場所に固執しない選択も重要です。
7葬儀の方法を決めておく
ペットの死は、飼い主さんに大きなダメージを与えます。悲しみのあまり、何も考えられなくなってしまう人も少なくありません。気が済むまで一緒にいたい気持ちはわかりますが、遺体を安置できる期間は決まっています。できるだけスムーズにお別れできるよう、事前に葬儀の方法や業者を検討しておきましょう。
まとめ
ペットの終活は、犬や猫と暮らす飼い主さんにとって避けては通れない準備です。悲しくても、いずれ迎える最期のお別れだからこそ後悔しないようにしたいものですね。飼い犬や飼い猫が元気なうちに家族で話し合っておけば、いざという時も慌てずに済みます。終活をしっかりと行って、ペットとのかけがえのない時間を楽しみましょう。