シニア期のペットは食欲が減少する
若いときはいつも食欲旺盛だったペットも、シニア期になると加齢とともに食べる量が減少する傾向にあります。しかし、健康を維持していくために口から栄養をとることはとても大切なことです。高齢ペットの食が細くなったときは、食事を工夫してみましょう。
食事を小分けにすれば高齢犬猫でも食べやすい!?
シニア期に入った犬猫は、食欲が減少して一度にたくさんのフードを食べられなくなる場合があります。
そういうときは、それまで食べていた一日の食事量は変えずに、食事の回数を増やしましょう。一度には食べられなくても、小分けにすることでシニア期の犬猫でも食べやすくなります。食事の様子を観察しながら、一日の食事の回数を検討しましょう。
シニア期の犬猫がドライフードを残すようになったら
高齢になるとペットも歯が弱り、硬いものが食べ辛くなります。ドライフードに一手間加えることで食べやすくなり、食欲が増す可能性があります。
【ドライフードを食べやすくする方法】
●食べやすい大きさに砕く
砕くと酸化しやすくなりますので、食事ごとに砕くことをおすすめします。また、粉末状にするとペットがむせる場合がありますので気をつけましょう。
●ぬるま湯やペット用ミルクでふやかす
柔らかくすることで食べやすくなります。また、人肌に温めることで、香りが増して食欲がでることがあります。
嗅覚が鈍くなった高齢犬猫の食欲を刺激するには?
犬や猫はシニア期になると嗅覚が鈍くなり、食欲が落ちて、なかなか食事に口をつけないときがあります。
そういうときは、フードを口元に近づけて舐めさせてあげるなどして食欲を刺激しましょう。鰹節の出し汁やササミの茹で汁などをフードに垂らすのも効果的です。フードの香りがアップすることで食欲を刺激することができます。
シニア期の犬猫が落ち着いて食事できる環境を整える
犬や猫も高齢になると食欲が低下し、食事にあまり興味を示さなくなることがあります。少しでも食事への興味を持続させるために、シニア期の犬猫が落ち着いて食事できる環境を整えましょう。
【安心して食事できる環境づくり】
●食器を変える
老犬・老猫の場合は、食器を置く高さを調整することで、足腰や関節、心臓に負担がかかりにくくなるといわれています。楽な姿勢で食べられる食台を利用するなど、食器の高さ調整をしてあげるとよいでしょう。
●食器を置く場所を見直す
食器を滑りやすい床に置いていた場合は、老犬・老猫はあしの踏ん張りがきかずに食べ辛さを感じる場合があります。そういったときは、滑り止めマットなどを敷いてあげるとよいでしょう。
●同居ペットの横取りを防ぐ
老犬・老猫は食事のスピードもゆっくりになります。同居ペットがいる場合、ゆっくり食べていると横取りされてしまうことがあります。同居ペットが食事の妨げにならないように注意するほか、同居ペットと別室で食事ができるようにするなど、老犬・老猫が安心してゆっくり食事ができるような環境を整えてあげましょう。
おわりに
高齢のペットは体調の変化が起きやすいため、日頃からのこまめなチェックが大切です。ペットによって食事の好みや環境は異なりますが、年齢や体調にあわせて食事方法を工夫し、シニア期に入った犬猫が元気に生活できるようにサポートしましょう。ただし、食欲不振は病気が原因のケースもあります。いつもと様子が違うと感じたら、まずは獣医師へご相談ください。大切なペットがいつまでも健やかでいられるように、日頃のケアと適切な食事管理を心がけましょう。