ペットが亡くなり、終活を進めているという人もいるのではないでしょうか。しかし、なかなか現実を受け入れられない、深い悲しみから何もする気になれないなどの理由から、終活が進まないという人も少なくありません。そういう時に知っておきたいのがグリーフケアについてです。今回はペットの終活を進める上で重要になる、グリーフケアについて詳しく解説します。
ペットの終活を考える時に大切なグリーフケア
グリーフケアとは遺族ケアのことで、グリーフワークとも呼ばれています。大切な人やペットが亡くなった時、人は大きな喪失感を感じます。身体的にも精神的にもダメージを負い、鬱などの病気になってしまうことも少なくありません。そういう時に助けになるのがグリーフケアです。大切な人との死別によって、孤独感や喪失感、絶望感などの不安を持っている人に様々なケアを行い、回復へ導いてくれます。
飼い主さんにとって、ペットは大切な家族の一員です。ペットが亡くなった時にペットロスになってしまう人も多く、グリーフケアが注目されるようになりました。ペットロスの人のカウンセリングを行う、ペット就活アドバイザーのような資格も誕生しています。ペットが大好きで犬や猫などたくさんの動物を飼っている人は、いざという時のためにグリーフケアに関する資格を取得してみるのもよいでしょう。
グリーフケアはどのようなことをしてくれる？
グリーフケアは、ペットを亡くし悲しんでいる人を、無理やり元気づけるようなものではありません。基本的な考え方になるのが、ペットロスになっている人の行動や感情を受け入れることです。家族同然のペットを失った人は、身体や精神だけではなく、認知や行動にも様々な不調をもたらします。身体的な不調で言えば、睡眠障害や自律神経失調症、疲労感、気力喪失などです。他にも孤独感や絶望感のような精神的な不調、引きこもりや落ち着きがなくなるといった行動・認知的な不調も起こります。こういった様々な不調を抱えている人達を、優しく回復に導いてくれるのがグリーフケアです。
悲しみを否定するのではなく、認めるというのもグリーフケアの1つになります。無理に悲しさを忘れようとせず、自分の中にある感情を肯定し気分を楽にしていきます。ペットが亡くなった時、深い悲しみから何も手につかなくなってしまうのは当然のことです。終活を進めようと思っても気力が湧かない、何も考えられないという人もいます。そういう時、カウンセラーにお願いしてグリーフケアを受ければ、気分が楽になるでしょう。
グリーフケアを受ければ、自分の辛い気持ちもしっかり受け止めてくれます。ペットを失った悲しみや不安はもちろん、後悔や怒りなど様々な感情をカウンセラーに吐き出すことで、気持ちがすっきりして前向きになれることも多いです。ペット葬儀を行い、しっかりペットとお別れするのもよいでしょう。ペットが亡くなったことが現実とは思えず、なかなか受け入れられないという人も少なくありません。ペット葬儀を行い、ペットのご遺体を火葬したり、埋葬したりすることで気持ちを整理できます。
人間にもペットにもグリーフケアは大切
ペットが亡くなった時に大きなショックを受けるのは、人間だけではありません。犬を何匹か飼っている場合、残された他の犬も大きなショックを受け、心身共にダメージを受けてしまうことがあります。もし、他のペットに何かしら症状が出た場合は、グリーフケアを考えたほうがよいでしょう。グリーフケアは、カウンセリングを行う専門家に相談するのはもちろんですが、家族ができることもたくさんあります。例えば、ペットのそばに亡くなったペットが愛用していたおもちゃや、匂いが残ったタオルなどを置いておくのもよいでしょう。
動物が死を理解するのはなかなか難しいです。急にいつも遊んでいた相手がいなくなったら、不安になってしまいます。その不安を取り除いてあげるために、亡くなってしまったペットの私物を与えてあげるのは有効な手段です。他にも、いっぱい褒めてあげたり、名前をたくさん呼んであげたりすることで、不安を取り除くことができます。ペットが亡くなるというのは、飼い主さんにとっても、一緒に暮らしていた他のペットにとっても悲しい出来事です。ペットの終活の一環として、グリーフケアについてしっかり理解を深めておくようにしましょう。
ペットが亡くなった時は自分自身のケアをすることも大切
ペットが亡くなった時は、葬儀をあげたりペットが使っていたおもちゃなどを整理したり、色々とすることがあります。しかし、大切なペットが亡くなった悲しみを引きずったまま、終活を進めるのは大変です。自分自身や家族、他のペットのケアをすることも忘れてはいけません。ペットの終活を考える時は、グリーフケアについてもしっかり理解しておくようにしましょう。
