コラム
豆知識

多くの飼い主が行なっているペット葬のマーケット規模とは

2018.11.22

急激に増えているペット葬のマーケット

ペットブームが拡大している中で、それに伴ってペット産業も大幅な業績アップを果たしています。その中でも2010年代に入って急激な上昇を見せているのが、ペットの葬儀に関するマーケットです。

ペットの大多数を占める犬と猫は、ペットフードやペット医療の進歩で20世紀に比べて寿命が大きく伸びました。ほとんどの犬種・猫種で平均寿命は10歳を超え、15歳を超えて長生きする犬や猫も珍しくなくなっています。

犬や猫の長寿化が進んだ影響から、ペットの世界でも「少子高齢化」が叫ばれるようになりました。高齢のペットが増えて来て、ペット全体の中でかなりの割合を占めるようになって来ているのです。

こうした時代の流れに合わせて、新しいペット関連マーケットが生まれて来ています。高齢ペット用のグッズや犬猫用の介護施設などに加え、ペット葬もその中のひとつに挙げられるでしょう。

室内飼いの増加とペット葬の需要

ペット関連の総市場規模は、2015年度の調査によれば1兆4720億円に達しています。日本中で飼われている犬と猫の数は、15歳未満の子供の数を上回っているとされており、推定1800万頭にも及びます。

1800万頭の犬と猫の内訳は、ほぼ半数です。犬は減少傾向、猫は上昇傾向にあり、その要因は室内飼いの増加と関連していると考えられます。マンションや庭の無い一戸建てでペットを飼う人が増え、より室内で飼いやすい猫の方が好まれているとの推測です。

かつてペットの犬や猫は、亡くなると自宅の庭に埋葬されることがありました。所有している土地ならば、ペットを埋葬するのは法律的に問題はなく、すぐ近くで弔いたいという心情も理解できるものでした。

しかし、ペット可のマンションや庭の無い一戸建てで犬や猫を飼う人が増えると、ペットが亡くなっても埋葬する場所がありません。そうした流れの中で、ペット葬の需要が増えて来ているのです。

ペット葬の割合と様々な内容

2012年に環境省が行なった調査によると、ペットを飼っている人の約4割が実際に民営のペット葬サービスを利用していました。こうしたペット葬を請け負う企業には、専門業者のほか、元々霊園を経営していたり、お寺などの宗教法人がペット葬を新しく始めたりといった形があり、需要に供給が追い付いてきたとも捉えられています。

ペット葬に関する法律はまだ整備されておらず、葬儀の内容は様々です。火葬だけの場合や火葬とお骨の返骨があるといったシンプルな形から、人間同様焼骨に立ち会いお骨を拾って、お経をあげてもらってからお墓に納める形まで、業者や霊園によって違いがあります。

費用は火葬だけなら1万円程から、立ち会う形なら数万円と、人間の葬儀に比べると安いのが特徴で、多くの飼い主が利用しやすい金額になっているのも、ペット葬が増えている理由のひとつでしょう。

今後も増えて来るペット葬

ペット葬そのものの費用のほか、ペット用の仏壇や身近に持ち運ぶための遺骨を入れたアクセサリーなどが、ペット葬関連のマーケットと計算できるでしょう。さらに、海上散骨の代行サービスや墓石・永代供養料など十万円単位になるマーケットがあり、その総額は300億円とも350億円とも言われています。

ペット葬儀会社と動物病院の連携や、ペット葬を都市型と郊外型とに分けて行なう、より新しい流れも出て来ています。また、犬と猫の飼い主は団塊世代が多いのも特徴で、ペットと同じ墓で眠りたいという希望から、一緒に入れるお墓を購入する飼い主が増えてきました。こうした動きから、ペット葬ビジネスは今後も拡大傾向が予想されています。

ペットは愛玩動物から、一緒に暮らす家族の一員へと役割が大きく変わってきました。今後もそうした変化に対応した、新しいペット葬関連ビジネスが増えて来るのでしょう。