ペット葬のスタイルについて知ろう
家族として一緒に過ごしてきた大切なペットとの別れは、辛く悲しいものです。ペットの死は受け入れがたいものですが、家族だからこそ、これまでの感謝の気持ちを込めて送り出してあげたいものです。人間の葬儀も様々なスタイルや付随するサービスがありますが、ペットの葬儀にも様々な種類があります。事前に少しでも情報を集めておくと、ペットの葬儀をいざ行う場合にも慌てずに済むでしょう。
ペットの葬儀を選ぶ人は増えている
かつて、ペットが亡くなった際は、土に還してあげるという意図から家の庭などに埋葬したり、保健所に依頼して焼却してもらったりするのが一般的でした。しかし、自宅に埋葬スペースがなくなり、ペットとの関係が家族同然となったことから、大切なペットをきちんと供養したいという意識の変化によって、ペットの葬儀を行う人が増えています。ペット葬儀では、人間が亡くなった時と同じようなスタイルで葬儀や火葬を行い、お寺や霊園などで供養します。ペットの葬儀はペットを供養するための儀式ですが、一方で、家族同然に暮らしてきたペットを失った悲しみを少しずつでも受け入れるための、飼い主にとって必要な儀式であると言えるでしょう。
ペットの葬儀の種類
ペットの葬儀というと、多くの場合火葬を意味します。また、火葬だけでなく告別式などの別れのセレモニーを行うケースもあります。ここでは火葬を中心とした、ペットの葬儀の種類を紹介しましょう。ペットの葬儀は主に「合同火葬」「個別一任火葬」「個別立ち会い火葬」「訪問火葬」の4つに分けられます。
合同火葬は、他のペットと合同で火葬を行うものです。他のペットの遺骨と一緒になるため、返骨はなく、遺骨は合同供養されます。火葬の場には立ち会えず、自宅などでお別れを済ませた後は、火葬から納骨まで全てを業者に任せる葬儀です。リーズナブルな価格のことが多く、手元に遺骨は残らなくても良いという人に適しているでしょう。個別一任火葬は、自宅でお別れを済ませた後、ペットの遺体を業者に託してペットを一体ずつ個別に火葬するものです。火葬の場には立ち会えず、多くの場合、業者によってお骨上げされ返骨されます。火葬に立ち会うのは辛くてできないけれど、遺骨は手元に置いておきたいという人に適しているでしょう。
個別立ち会い火葬は、個別に火葬され、なおかつ飼い主が火葬に立ち会えるものです。遺体は火葬場まで運び、そこでお別れのセレモニーを行います。飼い主によるお骨上げができるケースも多く、人間の葬儀の形式に一番近いものと言えるでしょう。訪問火葬は、専門の火葬車が自宅などの指定の場所に来て遺体を引き取り、個別に火葬するものです。自宅でお別れを済ませた後、火葬車で火葬され、お骨上げは飼い主が行えるケースもあります。早朝や深夜にも対応してもらえるケースが多く、日中時間が取れない多忙な人や自家用車がない人に適しているでしょう。ただし、火葬車のサイズによっては大型犬など大きな動物の対応が難しい場合もあるため、事前に確認が必要です。
葬儀の種類は合同か個別か、立ち会えるか立ち会えないかによって大きく4つに分けられましたが、火葬スタイルは固定火葬炉と移動火葬車の2つに分けられます。固定火葬炉は、ペット霊園などにあるペット専用の火葬炉のことで、出棺から納骨まで手厚い供養を行えるのが特徴です。ただし、火葬炉がある場所まで出向く必要があります。移動火葬車は、火葬炉を搭載した車のことで、自宅まで訪問し、ペットを引き取って自宅周辺の適した場所で火葬を行うものです。近くにペット霊園などの火葬場がない場合での利用も増えています。
ペットの葬儀、どこに依頼する?
ペットの葬儀における火葬は、主にペット霊園やペット葬儀社、訪問ペット火葬業者が請け負っています。ペット霊園では、火葬炉が併設されているのに加え、セレモニーホールやお墓、納骨堂といったペットの葬儀やその後の供養に至るまで、ペットの葬儀に特化した施設が揃っているのが特徴です。ペット葬儀社は、ペット専門の葬儀社のことで、人間の葬儀と同じような手厚いお見送りができるのが特徴です。斎場や霊園での葬儀だけでなく、自宅葬儀も選べ、火葬は葬儀会社が持っている火葬場で行います。訪問ペット火葬業者は、移動火葬車を使って自宅などに訪問し、火葬を行います。火葬場まで足を運ぶ必要がなく、多くの場合24時間対応のため、時間や場所を問わず火葬が行える利便性が特徴です。
ペットとの別れを感謝の気持ちで見送れるように
ペットが亡くなった時のことは、想像するのでさえ辛いものですが、ペットは人間よりも寿命が短いため、いつかは別れの日がくることを覚悟しておく必要があります。どのような送り方をしてあげるか、ペットの葬儀の種類や内容について事前に考えておくと、別れのその時もペットの旅立ちを受け入れられ、「ありがとう」の気持ちを込めて見送れるでしょう。